ミッション・ビジョン・バリューと働き方の関係性について考えてみた話

こんにちは。TOWNの長澤です。

今回は会社が理想として設定するミッション・ビジョン・バリュー(以下MVVと記載)と、実際の働き方との関係性について書きたいと思います。(なお、内容は個人的な意見を含み、MVVのあり方について特に正解を出したいわけではないので、その点踏まえてお読みください)

MVVが会社に浸透しているってどういう状態なのか

あなたは今いる会社で、普段から「いやー、今日の会議ではバリューを体現する発言ができたぜ」とか「昨日の私はビジョンに向かっていなかったんだ」とか言いながら仕事をしたことがあるでしょうか。おそらく、多くの人が「ない」と答えるのではないかと思います。

MVVは、その会社が目指す理想や価値観を明文化したものですから、設定した会社としてはとても大事な概念です。大事なぶん、それだけ社内全体に浸透させるには大変な労力と時間を要する(と思う)のですが、厄介なことに「どのような状態になればMVVが社内に浸透したことになるのか」というのがいまいちわかりにくいという実情があります。浸透した、という状態について明確な基準がないからです。ただ、基準はよくわからないけれど、とりあえず社内のあちこちで普段からMVVが身近に用いられる状態にならないと、少なくとも浸透しているとは言えないでしょう。

では、MVVが社内のあちこちで身近に用いられるようにするためには、どうしたら良いでしょうか。

形而上の概念と化しているMVV

個人的な経験による主観ではありますが、会社で働く社員にとってMVVというものは、漠然と「神のお告げのようなもの」と捉えられているのではないかと感じています。

もちろん、お告げ的なトップダウンではなく「ウチは社員の意見を総合してMVVを設定してますけど」という会社もあると思います。この場合は、MVVを設定する段階から社員それぞれが考えを巡らせているだろうから、ある程度は身近な存在になっているかもしれません。それでも、最終的にでき上がるのは一つの抽象化された概念なので、やはり自分の手の及ばないところに存在しているもの、という感覚を持つ人も一定数いるのではないでしょうか。

謎かけのような問答になってしまう

それから、MVVはとかく会社から社員に対して問われる謎かけのように作用しがちです。「今日はMVVについてちょっと考えてみよう。どういう意味だと思う?」という具合に。だいたい社内ワークショップなどの非日常的な場を設けることで、このような問答が行われることが多いのではないかと思います。

もちろん、それはまったく悪いことではありません。正解はなんだかよくわからないけれど、MVVの意味を社員一人ひとりが考えて実行までしてみる、という行為自体がとても価値のあることだからです。そして、会社としてはそれを社員に求めたい。これが正直な気持ちなのではないでしょうか。

ただ、それと同時に誰にでも理解できるように一般化する努力も必要なのではないかと思うわけです。MVVは、普段の仕事から離れたところで考えを巡らせた時だけ想起されるものではなく、もっと身近なものにすることはできないのでしょうか。

働き方と結びつけるのが近道だと思った

会社で働く社員にとって最も身近な関心事は、「どのように働くか?」ということではないかと思います。そこには「会社が掲げる考え方に理解、共感できる」ということも含まれますが、もっと卑近で現実的なことも含まれているはずです。例えば、「どのような仕事をするか?」「報酬はどのくらい?」「時間の使い方は?」「どこで働くのか?」「誰と働くのか?」といった要素ですね。こういった現実的な要素と結びつけることができれば、MVVはもっと身近な存在になるのではないでしょうか。

ということで、TOWNではこれを実際にやってみました。会社のMVVを具体的な働き方に落とし込んでみるとどうなるか考えてみたのです。

なお、TOWNのビジョンは「日本を代表するサブスクリプション・テックカンパニーをめざす」です。「サブスクリプション」がキーワード。なので、基本的なアプローチとしては「やっている事業が全てサブスクなのだから、社員の働き方もサブスク思考に基づいたものになっていることが望ましい」という発想で考えてみました。イメージはこうです。

「#サブスクドリブンの働き方」という考えが見えてきた

それから社内でワークショップも行い(ワークショップは非日常的だとさっき書いたが、これが最適な手段だと思ったのでご容赦いただきたい)、社員全員が考える理想の働き方について明らかにした上で、会社が考えるMVVに紐づいた理想の働き方を明文化してみました。それが「#サブスクドリブンの働き方」と題したこのコンテンツです。

#サブスクドリブンの働き方

サブスクリプションモデルの特徴を踏まえて、TOWNが目指す理想の働き方を設定してみたところ、イメージはこのようになりました。

ここから具体的な働き方に落とし込んでみようということで、「#サブスクドリブンの働き方」を下記の6つの構成要素に分解しました。

さらに6つの大項目をもっと突き詰めて要素を具体化した結果、だいたい100個近くの小項目にまで明文化することができました。もうちょっとやってみると、もっと数は増えるんじゃないかと思います。具体化した要素は、全てまとめてオープンな社内資料として公開しています。(公開はしたけど、浸透度はまだまだこれからといったところ)

働き方と結びつけることで価値観が明確になった

いちおう断っておきますが、このアプローチで明文化したものはあくまでも「会社が設定しているMVVにとって望ましい働き方」であり、「社員全員にとって都合の良い働き方」ではありません。なので、社員一人ひとりの価値観に照らすと考えが合わないという部分はもちろん存在するでしょう。今回、この取り組みをやってみて得られた最も貴重な成果は、会社と社員の考え方にはギャップがあるということを改めて明らかにできたという点でした。もちろん、良い意味でですよ。

会社が考える理想と社員一人ひとりが考える理想はちょっと違います。ちょっと違っていてもそのギャップをお互い受け入れながら、もしくはすり合わせながら同じ目標に向かって進むことができるか。会社が設定したMVVが社員にとって身近なものとして社内に浸透している状態というのは、これができているかどうかが大事なポイントになるのではないかと推察しています。

おわりに:採用活動でも思わぬ効果があった

働き方という視点で会社の価値観を明文化しておくと、採用活動をするときに候補者に変な気を遣わなくて済むということもわかりました。こちらの考える価値観をきちんと提示した上で、相手にとって違和感がなければ問題なく選考に進んでもらえるし、価値観が合わないと思ったら気兼ねなく選考は受けないでおくという決断をしてもらえます。なんとなくグレーな状態で話を進めておいて、入社してから「実はこうでした」となるよりは、よほど誠実な対応ですよね。会社説明資料やホームページの情報からは、こういった価値観はなかなか伝わりにくいものです。

ということで、会社のMVVと紐付けて働き方について考えてみるというこの取り組み、さまざまな点で気づきや収穫があるので、ぜひ一度やってみることをオススメします。

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